税務通信|扶養義務者からの贈与や贈与税Q&A

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扶養義務者からの贈与や贈与税Q&A

掲載日:平成24年7月分

扶養義務者からの贈与について

相続税法では、扶養義務者から生活費または教育費に充てるための財産を贈与により取得した場合、その財産のうち通常必要と認められる部分の金額については、贈与税を非課税にすることとされています。(相続税法21条の3)
この場合の「扶養義務者」とは、①配偶者、②直系血族、③兄弟姉妹、④生計を一にしている3親等内の親族となります。したがって、祖父あるいは祖母が孫の学費を負担したような場合には、祖父母と孫は直系血族であるため贈与税は非課税となります。

つまり、学費の負担を受ける孫の親、祖父母からすると子が学費を負担するだけの資力を有しているかどうかではなく、親に子の学費を負担するだけの十分な資力があったとしても、祖父母が負担した孫の学費に対して贈与税は課税されません。
相続税の調査等でこのような例があった場合、税務当局から、孫へ贈与された金額を「貸付金」として相続税の課税価格に算入することを求められることもあると言われていますが、このような場合の立証責任は税務当局にあり、納税者に「贈与」であることを立証する責任はありません。
ただし問題は「通常必要と認められる部分の金額」かどうかです。高校や大学の学費であれば、入学金と授業料は問題なく非課税でしょうが、これとは別に入学祝金を渡しておりそれが贈与税の基礎控除額(110万円)を超えていれば、当然贈与税が課税されます。
贈与する際は、「通常必要と認められる部分の金額」かどうかという点に注意しましょう。

贈与税のQ&A

質問
平成24年に父から50万円、母から100万円の現金を暦年課税で贈与されました。この場合、それぞれから贈与された金額は110万円以下なので贈与税はかからないのでしょうか。
回答
暦年課税の場合、贈与税はその年の1月1日から12月31日までの1年間に、贈与により取得した財産の価額の合計額から基礎控除額の110万円を控除した残りの額に対して課税されます。この場合の基礎控除額は、贈与をした人ごとではなく、贈与を受けた人ごとに1年間で110万円となります。
したがって、1年間に複数の人から贈与を受けた場合、その贈与を受けた財産の価額の合計額から控除できる基礎控除額は贈与者の人数にかかわらず110万円となり、贈与を受けた金額150万円から基礎控除額110万円を差し引いた40万円に対して贈与税が課税されます。

質問
共働きである夫婦が総額3,000万円の自宅を購入し、夫が2,000万円、妻が1,000万円の資金を負担したものの、所有権の登記は夫と妻それぞれ2分の1の持分としました。負担した金額と持分が一致しない場合は贈与となるのでしょうか。
回答
妻の所有権は登記持分の2分の1ですから、3,000万円の2分の1の1,500万円となります。
しかし、購入のための資金は1,000万円しか負担していませんから、差額の500万円については夫から妻へ贈与があったことになります。
この場合、資金の負担割合に応じて夫3分の2、妻3分の1の所有権登記がなされていれば、贈与税の問題は生じません。

質問
夫婦でマンションを購入することにしました。マンションの名義は夫ですが、ローンは夫婦の連帯債務です。ローンの返済は共働きの収入から行いますが、贈与税の問題がありますか。
回答
ローン返済の年ごとに妻から夫に贈与があったものとされます。その年のローン返済額に妻の所得が夫婦の所得の合計に占める割合を乗じて計算した金額がその年の贈与額になります。

この情報は2012年7月時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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