税務通信|相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

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相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

掲載日:平成27年10月分

 前回のNo.36「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の見直し」にてご紹介しましたが、今回はこの特例について、本年(平成27年)開始の相続分から適用される範囲や詳細をご案内します。

  1. 特例の概要
  2.  この特例は、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内(その相続開始日の翌日から3年10ヶ月を経過する日までの間)に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を 譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。相続税の課税対象となった財産が、相続の直後に売却される場合、相続税と譲渡に係る所得税が相次いで課税されることに なるため、税負担を調整することを目的として設けられています。

    (注)譲渡所得にのみ適用があります。


  3. 特例を受けるための要件
    1. ・相続や遺贈により財産を取得した者であること
      ・その財産を取得した人に相続税が課税されていること
      ・その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

  4. 事例
  5. 本年度(平成27年1月1日)以後に発生した相続・遺贈により取得した土地を上記2.の要件内で譲渡した場合

    ※本年度からは、相続した土地を売却した場合に、納めた相続税額を取得費に加算できるのは、「売却した土地Bに対応する相続税額だけ」となります。

    ※実際の計算は、取得した者及び取得した財産ごとでの計算となります。


  6. この特例を受けるためには?
  7.  この特例を受けるためには確定申告が必要で、その際、以下の添付書類が必要となります。

      ①相続税の申告書の写し(第1表、第11表、第11の2表、第14表、第15表)
      ②相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
      ③譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)や株式等に係る 譲渡所得等の金額の計算明細書など

    なお、②の計算明細書を利用すると、取得費に加算される相続税額を計算することができますが、慣れない計算に戸惑われる場合は、是非お近くの税理士へご相談ください。


この情報は2015年10月時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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